症状の対処の仕方:
不安、恐怖、疼痛などがきっかけとなってパニック障害が起こり、呼吸が苦しくなることがあります。苦しいので、激しく呼吸する結果、さらに呼吸が苦しくなってしまう
という症状があります。
『呼吸が苦しい、だから余計に呼吸する。それによって血中炭酸ガス分圧が下がる、
また苦しくなるので過呼吸してもっと症状が強くなる。』
という悪循環です。この状態を過換気症候群といいます。
男性よりも女性に多く見られ、その割合は1:2です。
発症のメカニズムは、不安、恐怖、疼痛などがきっかけとなって、過剰換気(息をハーハーする) をしますと、血液中の二酸化炭素が呼気中に多く排出され、血液のpH(ペーハー)が酸性からアルカリ性に傾く、電解質の異常な状態となります。これを呼吸 性アルカローシスと言います。
原因は二酸化炭素を多く排出しすぎることによるものですから、
ペーパーバッグ法(紙袋再呼吸法)といって、呼気(吐いた空気)を紙袋に入れ、それをもう一度吸い込むことによって、呼吸性アルカローシスを改善するという方法があります。
血液中の二酸化炭素を増やす事でアルカローシスを解消し、発作は次第に治まります。
それでもおさまらない時には、抗不安薬を注射すると治ります。
過換気発作が頻繁におこる人には、予防的に抗不安薬を毎日服用することが必要です。
また、心理的葛藤やストレスが原因となっている時には、これらを解決するような
心理療法が必要です。
※尚、以前も書きましたがパニック障害の対処法その他として、ぬるめのお水を
口に含んでゆっくり飲み込む、即効性のある抗不安薬を服用するなどが効果的と
されています。
パニック障害の患者さんは外出の際には必ずお水と頓服、紙袋を持参するよう
にしてください。